429MHz帯 SLR-429Mについて
はじめに
SLR-429Mは429MHz帯の特定小電力無線モデムです。シリアルデータの他に8つのI/Oポートの伝送が可能です。Semtech社のRFICを採用し、超長距離通信を可能にするLoRa®モードを搭載しています。
優れた受信感度によって、特定小電力の送信出力でありながら見通し10km以上の通信距離を実現します。
通信速度は数十〜数百bpsと遅いながらも今まで無線通信が難しかった環境でのデータ伝送・テレメトリー・テレコントロール用途でご使用頂ける範囲が広がります。
SLR-429M 無線モデムの背景
約10年前にSemtech社の担当者よりLoRa®という独自の通信方式を採用したRFICが発売開始されると紹介がありましたが、当時は日本で使用できる特定小電力無線の周波数帯がないということで採用を見送っていました。2016年にRFICの仕様を見返したところ、429MHzのような狭帯域でも使用できるのではないかということがわかり本格的に開発がスタートしました。いまでこそ920MHz帯を使用したLoRa製品が普及していますが、当時はまだLoRaを使った製品で技適マークを取得した製品がなかったため、関係官庁・認証機関等に相談しながら製品化しました。
上記以外にも当社の製品はシリアル通信、接点通信それぞれに製品が分かれていましたが、新たな試みとしてシリアル通信と接点通信が1つの製品で行えるようにUART、I/Oポートを備えました。
主な機能・特長
429MHz帯 LoRa®変調モードによる超長距離データ通信
920MHz帯に比べ樹木や建物等障害物の影響を受けにくい429MHz帯を使用。FSK変調を使用した当社従来製品に比べ都市雑音に強く長距離通信が可能。
シンプルな専用コマンド
SLR-429Mはシンプルな当社独自専用コマンドを採用し制御プログラムの開発が行えます。
簡単に接点情報通信
SLR-429Mの入出力端子にスイッチや半導体出力回路を接続するだけで接点情報通信が可能。
低電圧、低消費電流動作
商用電源が確保できない屋外使用の場合でも、バッテリーで長時間の使用が可能。
主な使用用途
- ビル内のデータ伝送、空調コントロール
- 地下やマンホール内からのセンサーデータの伝送
- 河川、ダム等の水位監視
- 土石流の通報装置
- ビニールハウスの温度、湿度などの監視、制御
製品ページ
※SLR-429MはSemtech社のLoRa® wireless RF ICを使用しております。LoRa®はSemtech Corporationの登録商標です。