技術情報

MUシリーズについて

MUシリーズのコンセプト

429MHz 特定小電力シリアルデータ伝送無線モデム MU-4-429

MUシリーズは2004年にMU-1-429を発売して以来、20年以上続いているコマンドコントロールのシリアルデータ伝送無線モデムです。シリアル通信が行える製品としてはいくつかの無線モジュールがありましたが、技適マークを取得した製品ということではSTD-402、M1(M429)に続いた製品になります。MUシリーズの大きな特徴は当社独自のコマンドのみで設定変更、シリアルデータ通信ができるように設計されている点です。

MUシリーズの進化

発売当初はID識別のみのシンプルなシリアルデータ通信のみに対応していましたが、その後お客様からの要望によりACKや中継、電界強度の確認などの機能が追加されました。

MUシリーズ自体もMU-1-429からTCXOを搭載してナローバンド化させたMU-1N-429へと無線性能がアップし、さらに周波数帯も429MHzだけでなく1216MHz、1252MHzが加わりました。その後ワンチップ無線ICを使用したMU-2-429が登場しラインナップが広がりました。

主要部品の終息対応もあり、現在ではMU-1はMU-3に、MU-2はMU-4にそれぞれモデルチェンジしました。

主な機能・特長

シンプルな専用コマンドによる制御

MUシリーズは当社独自のシンプルな専用コマンドを採用しています。IDなどの初期設定をはじめ、周波数CH変更、シリアルデータ送信など、全ての制御がUART経由のコマンドで可能です。

アンサーバック通信機能

データ送信コマンドのコマンドオプションにてACK(acknowledgement)要求有りにした場合、目的局で正しくデータ受信した時に自動的にACK返信を行います。

中継機能(最大10局)

最大10局までIDを指定して中継を行うことが可能です。中継ルートは通信ごとに指定することも可能です。また中継局は機器の初期設定と電源供給のみで動作いたします。

強力なエラー訂正機能

リードソロモン符号による強力なエラー訂正機能を使用することができます。リードソロモン符号によるエラー訂正は地上波デジタル放送、CD、DVDなどで幅広く使用されています。MUシリーズのエラー訂正機能は32バイト中4バイトまで誤りを訂正することが可能です。

パルスノイズなどによりデータ化けが発生しやすい環境などでは有効に働きます。

電界強度確認

MUシリーズの電界強度確認は、コマンド発行時のRSSI(受信信号レベル)の確認だけでなく、データ受信時のRSSI、S/Nの確認等に対応しております。

MU-3-429とMU-4-429の違い

よく頂く質問の一つですが、MU-3-429はディスクリート(個々の部品)で構成しているのに対し、MU-4-429はワンチップ無線IC(RFIC)をベースに構成しています。

RFICの性能は年と共に向上していますが、それでも現時点ではディスクリートで構成した無線機器の方が主に受信性能(ブロッキング性能、受信感度など)で優れています。その一方でRFICは部品点数が少なく小型化できる、安価にできる等のメリットがあります。

同一エリアで複数周波数CHを使用する、より高感度の無線性能を求められるような場合はMU-3-429をお勧めいたします。一方でそこまでの無線性能が必要でない場合はMU-4-429でも問題ないかと思います。

どちらも基本的な部分のコマンド互換はありますので、プログラムの変更は最小限で置き換える事が可能です。

 

主な使用用途

  • エネルギーモニター
  • 河川・ダムの水位モニター
  • 表示装置の制御
  • FA機器のリモートコントロール

製品ページ

MU-3-429

MU-3-1216

429MHz 特定小電力シリアルデータ伝送無線モデム MU-4-429

MU-4-429

RS-232CおよびUSBインターフェースボードも用意しています。詳しくは製品ページをご覧下さい。