技術情報

KST2.4W / KSR2.4について

KST2.4W / KSR2.4のコンセプト

KST2.4WおよびKSR2.4はお客様からの要望から生まれた製品になります。軽産業シリーズとしてはKST426W/KSR426がありますが、426MHz帯は主にON/OFF切替えを行う用途に適していますが、この製品は2.4GHz帯を使用し、ボタンを押し続けている間動作させるようなモメンタリ操作に対応した製品になります。同様の製品としてNT-4/NR-1がありますが、実際にお客様は産業用途で使用されていることが比較的多いことから、産業用途向けにご使用頂ける防水・堅牢性を高めた製品を開発しました。「軽産業」という言葉は、重機などに使用されるテレコン装置までいかないが、汎用的な産業用途の製品として多少過酷な環境でも使用できる事を想定してネーミングしています。また2.4GHz帯はワールドワイドに使用できる周波数帯のため、日本の技適マークだけでなくアメリカのFCC、カナダのISED（IC）にも対応しております。特長としては以下のようなことが挙げられます。

リモコンは防塵・防水性能IP55相当
リモコンのボタン大きめで用途に応じてネームの入れ替えが可能
独自の周波数ホッピング通信方式により複数システムの同時運用が可能
ハミング距離6で低エラー
リンクインジケータにより通信状況の確認が可能
オートパワーオフ機能
制御機は9V、12V、24V系に対応
リモコンは2ボタン、3ボタン、4ボタンの3種類
制御機はフォトMOS・リレー搭載タイプを用意
無線ユニット・無線モジュールタイプを用意

同じ軽産業シリーズとして426MHz帯のKST426W / KSR426(W)がありますが、2.4GHz帯はボタンを押している間動作させるような操作向け、426MHz帯のKST426W / KSR426(W)は1台または複数台でON/OFF切り替えるような操作向けになります。

防塵・防水性能

リモコンKST2.4Wは防塵・防水性能を示すIP規格のIP55相当になります。詳細は以下の通りです。

IP5Xは機器の動作に支障をきたしたり安全を損なったりするほどの粉塵が侵入しないレベル。
IPX5はいかなる方向からの噴流水であっても有害な影響を受けないレベル。

操作ボタン

リモコンのボタンは以下のような特長があります。

手袋をしていても押すことができるように大きめのボタンを採用

ボタン操作時、ボタンごとに異なるブザー音にて操作を確認可能
ボタンのネームはお客様にて入れ替え可能

周波数ホッピング

独自の周波数ホッピングプロトコルにより、無線の周波数CHを意識せずに、同一エリア内で複数システムの同時制御が可能です。NT-4から周波数ホッピングパターンの見直しを行い、当社内のテストでは同一エリアで10セットの同時運用を確認。

ハミング距離

通信を行う場合、データ化けが発生することがあります。特に無線の場合、外来ノイズや他の無線機器からの妨害波等影響を受けやすくなります。無線通信に限った事ではありませんが、通信を行う場合、受信したデータが正しいかどうかを確認する為にエラーチェック用のデータを一緒に送って照合し、エラーとなった場合は受信したデータを破棄または訂正を行います。

KST2.4WおよびKSR2.4はエラーチェック方式にCRC16を採用し、ハミング距離6を確保しています。ハミング距離の数字は大きいほどエラーチェックの能力が高く、ノイズ等によるデータ化けに対して誤作動がしにくくなります。

リンク表示

リモコン・制御機共にリンクLEDがあり、一目で操作機と制御機の通信状態が確認できます。

オートパワーオフ

リモコンは10分間ボタン操作がない場合、自動的に電源をOFFにします。

制御機

制御機（受信機）は9V、12V、24Vの電源に対応するためにDC 6〜24Vの供給電源で動作いたします。出力接点についてはKSR2.4は最大DC 35V / 200mAに対応し、COM端子は+または-どちらの接続にも対応しています。KSR2.4RYは最大DC 30V / 5A（誘導負荷は2A）に対応します。

また出力モードはモメンタリ、ワンショット、トグルに対応しています。

※ 24V車との接続についてはオルタネータなどにより絶対定格の電圧を超える可能性があるため対応していません。