どこでもでむ 電気柵電圧監視システムつくってみた(その1)
こんにちは、中の人 ちょうです。
サーキットデザインがある安曇野市は、自然あふれる地域でして、山に行けばサルも出てくるのです。人は山際まで畑を作りますので、問題となるのがいわゆる獣害・鳥獣被害というやつです。
山から降りてくるサルから畑を守るのが電気柵です。しかし電気柵を張ればよい!というものではなく、下草を刈ったり電圧を見にいったりと、日々のメンテナンスが欠かせません。
そんな地域に住む社員Sから、「現地まで、電圧を見に行くのが、すごく大変だから離れてても見れるシステムがほしい」との要望がありました。
近くなんだから散歩がてら見に行けばいいのに… と思いましたが、話を聞いた時は真冬で、外は寒いし雪も降っているので、きっと大変なんでしょう。
遠くのモノの状態を見るのは、LPWAとIoTの真骨頂!
そんな時は「どこでもでむ」を使ったシステムをちゃちゃっと構築してしまえばいいのです。
設置場所と会社の位置関係は、以下の図のとおりです。
システム構築といっても、色々と考えないといけません。本来なら、顧客の要望を聞きながら条件を整えていくわけですが、「見れればいいよ」というざっくり要望なので、良い感じに適当にやることにします。
どこでもでむのLTE-M版を使えば、いきなりインターネットにつながるのですが、社員いわく、予算はないそうなので… SIM代がかかるのを避けて、距離も近いのでLoRa®通信で行うことにしました。もっと近ければ、通信速度が速いFSKでもいいのです。
一番、悩んだのが…「表示をどうしようか」ということです。
どこでもでむのWiFi機能を使えば、Webサーバーにてデータを見ることもできます。
近場の公民館にでも設置しておけば、スマホからでも見れるので、ローカル運用でもいいかなと思ったのですが、最終的には会社のWiFiに頼ることにして、インターネットに乗り上げてしまうことにしました。
設備的には、アンテナをつけたり電源の工事が必要だったりと… 公民館を使うにはハードルが高いので、会社に受信側を置けられたのはラッキーでした。アンテナをうまく設置できれば、LoRa®なら、10kmぐらい余裕で電波が届きます!(念のために書いておくと、通信距離は必ずしも保証できるものではありません。ご注意を)
インターネットにあげてしまえば、表示方式の選択肢は広がります。しかし、サーバーを用意して、Webサーバーやらデータベースやらフレームワークやらを動かして、HTMLとか、javascriptやcssを作り込んでというと、面倒でいろいろと大変です。
表示側もラクに作りたいので、比較的安くて、簡単に使える「Googleサイト」とGoogleSpreadsheet(以下、GSS)を使おうと考えました。
システムが動くと最終的にこのように見えます。
とってもシンプル!これをRailsとかでフルスクラッチで作ろうとすると結構な時間がかかるので便利です。
ただ問題は、GSSをデータベースの代わりに使うと、ごく稀に、データロストしてしまうのです。アクセス制限などがあるのは知ってますが、そんなに頻繁にアクセスするわけでもないのに、なぜかスクリプトエラーになって保存できないのです。なので、やっぱデータベースは必要だろうなぁ、通信は、MQTTにしとくかなぁ〜と、いろいろと考えながら、以下のようなシステム構成になりました。
データベースがないじゃん、って思われますでしょうが、ええ、将来的にはつけときます。今回の案件に関しては、過去のデータは見なくてもいいそうなので、簡略化です!
さて、次回はセンサー側をご紹介しょうと思います。